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これまでの講演会 ダイジェスト

2021年度3月(第36回)

【第36回 2021年3月20日(火) 】

『家族でも参加できる経営研究所!!―心と身体によく効く楽しいヨガ体験』

日 時 :2021年3月30日火曜日 午後7時30分~午後8時20分(50分)
    *リモートにて、清水先生には、ご自身のスタジオからご出演頂きました
        前半:ヨガ入門とレジリエンス
           (ストレスからのしなやかな“回復力、復元力”を意味する言葉)に
           関する清水先生の“ためになる”ご講話(20分程度)
        後半:皆様にご参加いただく実践講座の開催
           清水先生による指導(30分程度の簡単な椅子を使ったヨーガ)
★★清水 照季子先生(OMA中目黒主宰)のプロフィール★★
インドに四年間滞在中ヨガを学ぶ。帰国後、中目黒にヨガスタジオを開く。
IHRF ヨガティーチャートレーニングコース修了。
メディテーションティーチャー、レイキヒーリングマスター。保育士資格、幼稚園免許

『身体と心が繋がり、相互に影響し合うこと、そしてそのバランスをいかに保つかが、
現代を生きる私たちにとって非常に大切な鍵になってくると思います。
便利でなんでも手に入り、情報に溢れ、忙しく緊張状態に置かれることが多くなっている昨今、
ヨガでON(交感神経)とOFF(副交感神経)をしっかり切り替えることをトレーニングすると、
自然と落ち着き、集中力や直感力が身に付いてきます。呼吸に意識を向け、動きを連動させていけば、
良い姿勢を保つ筋力と柔軟性、そして体力が養われます。蛇足ながらP&G、トヨタなどの企業でも
採用されるようになってきています。』元気の出るエベントでございました。
                 

2020年度7月(第35回)

【第35回 2020年7月21日(木) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師:石原 直子氏(株式会社リクルートホールディングス
            リクルートワークス研究所 人事研究センター長)
 演 目:「コロナが変えるワークスタイル~改めて問われる自律
      ―ニューノーマル時代における新しい働き方を考える―」
 
 今回の提言者は、リクルートワークス研究所にあって、“これからの働き方”について本質的で鮮度にあふれた
 メッセージを発信し続けている注目の論客、石原直子氏に登場いただき、WITH OR AFTER 新型コロナ時代
 における自律した働き方(テレワークも含む)について提言をいただきます。
 
 

2020年度5月(第34回)

【第34回 2020年5月14日(木) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師: 柳川 範之氏( 東京大学大学院経済学研究科教授)
 演 目:「コロナパンデミックをいかに変革の契機とするか」
 
 内 容:
 今回のコロナショックは、今まで放置してきた日本の経営・組織・職場の構造的問題点(デジタル化の遅れ等も含め)を
 浮き彫りにした。緊急事態を変革のチャンスと考えて、試行錯誤・アジャイル型で本格的な変革に挑むべきである。変化
 の原動力たるデジタル化の進展の中でリアルとの境界の線引の変更、またデジタルに代替できないリアルの持つ意味がま
 すます価値を帯びることになる。加えてDX(デジタルトランスフォーメーション)―場所と時間にとらわれない働き方―
 の推進は、重要であり、仕事全体の構造の見直しを通じてテレワークで何がどこまでできるか、仕事と家庭の“両立と融
 合”、一人一人のライフスタイルの見直し等も含め、我々はパラダイムチェンジに挑む必要がある。
 

2020年度5月(第33回)

【第33回 2020年5月12日(火) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師: 冨山 和彦氏(株式会社経営共創基盤代表取締役CEO)
 演 目:「コロナパンデミックに直面する世界と日本」
 
 内 容:
 我々は、大いなる危機が、頻発・常態化する時代に生きていることを強く自覚すべきである。危機の第1波は、L(ロー
 カルなサービス業)を直撃し、第2波は、G(グローバルな大企業)へのダメージ、そして第3波は、F(金融危機)への波
 及が懸念される。そして危機は、日本社会・日本企業の“日本型経営の基礎疾患―構造的欠陥”を白日の下に晒すことにな
 る。短期的には、サバイバルのキーたるキャッシュポジションを高める一方で、中長期的には、ポストコロナを見据えて
 DXと破壊的イノベーション~コアたる脳的機能強化~に大胆に取り組むべきである。今こそ企業の大変革のチャンスで
 あり、そこでは、まさに経営リーダーの真価が問われることになる。
 

2019年度4月

【第32回 2019年4月26日(金) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師: 粕谷 賢之氏 (日本テレビ放送網株式会社
                           取締役 執行役員 報道局解説委員長 報道担当)
 演 目:「新年号を迎えての日本の方向について」
 
 今回は、粕谷賢之様(日本テレビ放送網株式会社、取締役 執行役員 報道局解説委員長 報道担当)を
 講師にお招きいたします。
 皆様も既にご承知と存じますが、本年4月30日に、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が施行され、
 天皇陛下が御退位され、翌5月1日に皇太子殿下が御即位されることになります。歴史的な日を前に、
 本会を設定させて頂きました。新しい時代に向けた日本の進むべき道筋、政治・経済両面における課題等、
 粕谷氏と共に皆様と語り合いたいと存じます。
 
 

2018年度11月

【第31回 2018年11月13日(火) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師 : 落合 陽一氏(筑波大学 准教授
            デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長 准教授
            ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役)
 演 目 :「5G時代と計算機科学応用によるダイバーシティ」 

 今回は、『日本再興戦略』(幻冬舎 2018.1)の著書でも広く知られた、
 メディアアーティストにして筑波大学准教授でもある“落合陽一氏”をお招き致しました。
 現在マスコミへの露出度が最も多い学者にして実業家-ベンチャリスト-でもある落合陽一氏は、
 若い世代の教祖的な存在であり、圧倒的な人気を博しています。
 その風貌も手伝って“現代の魔法使い”と呼ばれる快(怪)男児であります。
 日本の未来を展望する時、欧米ではなくアジアの視点から我が国の歴史をとらえ、個人主義ではなく、
 共同体の視点から“日本の物語”を構想!、その先に“輝けるデジタルネイチャー”の世界が浮かび
 上がるという仕掛けは、実に見事です。
 
【落合陽一氏 ご略歴】
 1987年生まれ。メディアアーティスト。
 2015年東京大学学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の短縮終了)、博士(学際情報学)。
 筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究会版基盤長、大阪芸術大学客員教授、 
 デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。
 

2018年度7月

【第30回 2018年7月27日(金) 講演会ダイジェスト】
 
 講 師 : 内野 崇(三方会会長 学習院大学経済学部 教授)
 演 目 :「我が国の未来と企業経営の今後のあり方をズバリ問う!!」 
 
 今回は第30回記念とし、三方会会長の内野崇教授より
 『我が国の未来と企業経営の今後のあり方をズバリ問う!!』をテーマとして
 ご講義いただきました。
 
【概 要】
 国際情勢の緊迫と激変、トランプによる貿易戦争!中国とインドの急激な台頭等、の中で
 我が国はどのような方針で世界に臨むべきか?世界のイノベーションから周回遅れになり
 つつある我が国の企業経営の再構築と変革のポイントは?内野教授が、それらの処方箋の
 本質にズバリ迫ります!

2018年度4月

【第29回 2018年4月19日(木) 講演会ダイジェスト】
 
講師 : 太田 伸之 氏
   (クールジャパン機構<株式会社海外需要開拓支援機構>代表取締役社長)
演目 :「これからの日本の戦略-センスと自信なしでは戦えない~クールジャパンの世界展開~」
 
今回は『これからの日本の戦略ーセンスと自信なしでは戦えない~クールジャパンの世界展開~』
というテーマで、クールジャパン機構<株式会社海外需要開拓支援機構>代表取締役社長
太田 伸之氏を講師にお招きし、我が国のグローバル化推進の本質的な課題、基本戦略のあり方に
ついて熱く語っていただきました。
 
【概 要】
日本のクリエーションやワザ、生活文化をただ世界に売り込むのがクールジャパン事業と考えてはいけない。
事業である以上、コンテンツであれ食文化であれ世界市場で利益をあげてこそ意味がある。政策的な意義を
確認しつつ、その点を重視して投資の可否かを判断している。投資先に常に求めるのは、世界の人々を感動
させる表現の工夫と、その商品やサービスの素晴らしさを自信を持って丁寧に説明すること。満足な説明なし
にすぐ値引きする姿勢は改善する必要がある。

2018年度1月

【第28回 2018年1月25日(木) 講演会ダイジェスト】
 
講師 : 秋沢 淳子氏
   (株式会社TBSテレビ アナウンスセンター部長)
演目 :「国際協力・国際交流・国際教育の ”三方良し”」
 
新年最初の勉強会は『国際協力・国際交流・国際教育の ”三方良し”』というテーマで、
TBSテレビアナウンサー 秋沢淳子氏を講師にお招きし、AFSを始めとするご自分の経験を通じて、
これからの国際的なかかわり、海外に対するコミットメントのあり方について貴重なご提言をいただきました。

【秋沢淳子 氏 ご略歴】
 慶應義塾大学法学部政治学科卒業
 株式会社TBSテレビ アナウンサー
 公益財団法人AFS日本協会 評議員
 

2017年度7月

【2017年7月25日(火) 三方会・経営研究所共催による特別講演会ダイジェスト】
 
講師 : 志賀 俊之氏
       (株式会社産業革新機構 代表取締役会長CEO /日産自動車株式会社 副会長)
演目 :「第四次産業革命と経営革新」
 
今回は、産業革新機構の志賀俊之会長CEOをお招きし、『第4次産業革命と経営革新』と題して御講演を頂きました。
参加者の皆様からは大変な反響がございまして、わかりやすく感動した、深く考えさせられた等、大変に好評でございました。皮相的、表面的なIT革命のお話ではなく、まさにこれからの時代の変化と革新の本質をつく、極めて刺激的メッセージ-企業は言うに及ばず、戦後営々と築いてきたわが日本の様々なシステム・思考様式の抜本的見直しと大変革に今こそ着手する必要がある-をいただきました。
と同時に、日産再生のプロセスにあって、苦渋と苦汁を何度も飲み込みながら、しかし轟然と前を向き、へこたれず、生き抜いてこられた志賀会長の豪胆さと覚悟、そして見事な生き様を、お話の端々に感じました。大変に多面的で刺激的な講演会でした。

【志賀 俊之 (しが としゆき) 氏 ご略歴】
昭和28年9月16日生 
昭和51年 大阪府立大学経済学部卒業 
   〃  日産自動車株式会社入社 
平成12年 同社常務執行役員 
平成17年 同社代表取締役、最高執行責任者 
平成25年 同社代表取締役、副会長(現職) 
     一般社団法人日本自動車工業会副会長(現職)
     公益社団法人経済同友会副代表幹事(現職)
平成27年 株式会社産業革新機構 代表取締役会長CEO (現職)
 

2017年度4月

【2017年4月20日(木) 経営研究所&三方会共催の特別講演会(女性活躍シリーズ第2弾)ダイジェスト】
 
講師 : 新田 香織氏
演目 :「働き方改革―女性の活用・活躍を中心にー自分の歩んだ道を道しるべに」
 
わが国において、今、最も注目の“働き方改革の旗手”のお一人である新田香織氏にご自分の経験―歩んだ道を道しるべに、働き方改革―とりわけ女性の活用・活躍の推進について、熱く語っていただきました。女性と一緒に働く男性社員とりわけ幹部社員の意識改革が肝となるというご指摘は、改革の道のりの険しさを示唆する本質を突いた卓見だと感服した次第です。
 
【新田香織氏 ご略歴】
多様な働き方コンサルタント 【資格:特定社会保険労務士、キャリア・コンサルティング技能士】  
・大学卒業後、化粧品会社に入社。商品企画に従事(4年) 
・商社に転職。店舗企画、商品の販売促進に従事(4年)  その間、出産・育児休業・職場復帰を経験
・平成10年 社会保険労務士試験合格
・東京労働局雇用均等室で育児両立支援職場環境整備コンサルタントとして勤務
・平成21年6月 グラース社労士事務所開業
 
社会保険労務士として数名の中小企業から3000人規模の大企業に至るまで様々な企業の社会保険業務、労務管理、就業規則作成、給与計算等を経験したのち、厚生労働省東京労働局雇用均等室にて、「仕事と育児の両立コンサルタント」として次世代育成支援対策推進法に携わる。
子育てしながら働き続けた経験から、誰もが私生活上の責任を果たしながらも働き続けられる職場づくりのために奔走中。
イクボス企業同盟事務局担当、 厚生労働省委託 育休復帰プランナー他
※国・自治体の委託事業への協力参画(コンサルティング、相談員、調査等)実績多数。

2017年度2月

【2017年2月23日(木) 講演会ダイジェスト】
 
講師 : 岩田 公雄氏
演目 :「2017年-激動の世界と日本を展望する」
 
三方会単独での新年1回目の勉強会は、テレビでお馴染みの読売テレビ元解説委員長・岩田公雄氏を講師にお招きいたしました。激動が予測される2017年の世界の政治と経済を展望していただきました。
ヨーロッパにおけるEUからの英国の離脱、アメリカの予想外のトランプ新大統領の誕生に象徴されるように、世界は、安定の時代から大きく不確実性の時代、流動の時代に移行しつつある。
我が国も戦後の経済発展の中で築かれてきた日米、日中、日露関係のあり方が根底から問い直されようとしている。世界との協調を図りつつ、日本の自立と独自性をどのように考えたらよいのか等について、極めて示唆に富んだご講話をいただきました。
 
【岩田公雄(いわた きみお) 氏 ご略歴】
日本のジャーナリスト、学習院大学 法学部特別客員教授。かつては讀賣テレビ放送報道局特別解説委員(元解説委員長)、元同局アナウンサー。大阪大学人間科学部、立命館大学産業社会学部非常勤講師、21世紀臨調運営委員(民間政治)を務めた。日本を代表するジャーナリストであり、現在も日本テレビ、土曜日朝のウェークアップ!ぷらすにコメンテーターとして出演中です。
 

2017年度1月

【2017年1月31日(火) 経営研究所&三方会共催の特別講演会ダイジェスト】
 
講師: 元谷 芙美子氏(アパホテル株式会社 代表取締役社長)
演目: 「『私が社長です』 ~アパホテルの誕生・成長秘話 そして女性活躍の時代へ~」
場所: 三菱ビル10階 コンファレンススクエア M+ 「ミドル1+2」
  
新年の特別講演会は、今、話題騒然!のアパホテルの元谷社長にご登場いただきました。
お陰様で100名を超える参加者を得、大変に盛会でございました。
元谷社長には、自らの人生の生きてきた足跡をたどり、飾ることなく自らの人生とアパの成長の物語をユーモアを交えてお話いただきました。どんな辛い時も、明るさと周りにいる人たちに対する暖かい気配りを忘れずに、常にトップとして先頭にたち、チャレンジをし続けている生き様は、大変印象的でございました。大変なご苦労があって今日の隆盛があるわけでございますが、さすが元谷社長!!生きることの本質、サービスの本質そして経営の本質!が、わかっていらっしゃる方だなあと深く感嘆いたしました。
 
講演終了後の懇親会のお席で、会員の皆様からは、生きる勇気と元気をいただき、明日への生きる活力をいただいたという意見を多数頂戴いたしました。懇親会も最後までお付き合いくださり、会員一人ひとりに対する徹底した気配りとサービスはさすがで、頭の下がる思いでございました。
昨年来、本格的に海外のホテルチェーンの買収に着手し、満を持してグローバル化に向けて大きく舵を切り始めたアパグループの快進撃に今、世界の人々の大いなる注目が注がれています。
 
【元谷 芙美子(もとや ふみこ) 氏 ご略歴】
現在アパホテル株式会社 代表取締役社長 
福井県福井市生まれ。福井県立藤島高校卒業後、福井信用金庫に入社。 
22歳で結婚し、翌年、夫の元谷外志雄が興した信金開発株式会社(現アパ株式会社)の取締役に就任する。 1994年にはアパホテル株式会社の取締役社長に就任、全国規模のホテルチェーンへと成長させる。 そのかたわら、2001年に53歳で法政大学人間環境学部へ入学。 卒業後、早稲田大学大学院へ進み、修士号を取得(2006年)。現在、東京国際大学客員教授も兼任。 著書「私が社長です」他多数。 
 

2016年度10月

【2016年10月19日(水)講演会ダイジェスト】
 
講師 : 巻口 守男氏 (エネチェンジ株式会社 副社長)
演目 : 「電力・ガスの自由化を展望する」
 
2016年4月より、電力の小売り自由化が始まり、2017年4月からは、ガスの自由化が始まります。また2000年には、業界の再編を伴った電力の発送電分離の大改革が待っています。 こうした改革が、電力業界のみならず、一般の経済・ビジネスに大きなインパクトをもたらすのは必定であります。 長く東京電力に身を置き、執行役員を務めたのち、エネチェンジ株式会社の副社長に転じ、電力業界の新しい御意見番たる巻口守男氏に、電力改革の展望と電力をめぐる新規ビジネスの動向についてご提言いただきました。 とりわけ2017年4月以降は、電気とガスをセットにした多様なエネルギー戦略とビジネスモデルが本格的に登場し、地域と業態を超えた厳しい競争の時代に入ることが強調されました。
 
【巻口守男氏 ご略歴】
1974年 東京工業大学修士課程機械工学科 修了
1974年 東京電力 入社
2005年 東京電力 執行役員就任
2007年 日本原子力防護システム 専務取締役就任
2008年 日本原子力防護システム 代表取締役社長就任
2015年 日本原子力防護システム退任を経て エネチェンジ株式会社 副社長就任
 

2016年度7月

【2016年度7月 講演会ダイジェスト】
 
講 師:笹谷秀光(ささや・ひでみつ)氏
    (株式会社伊藤園 常務執行役員・CSR推進部長)
題 目:「『発信型三方よし』で広がるビジネス・チャンス
      ―これならわかる、共有価値創造戦略(CSV)―」 
 
企業は環境・社会の存在なくして事業はできません。そして環境・社会課題が複雑化している中で、企業と関係者が協働して新たな価値を生み出す「協創力」が重要です。人口減少、少子高齢化をはじめ、社会課題に真摯に取り組む、社会対応力と「協創力」のある企業こそ持続可能に成長し続けることができるのではないか。
自らの行政経験並びに伊藤園でのチャレンジングな取り組みを通して、世界の環境・社会課題の激動化を見つめ、企業人としての社会課題対応の新ビジネスで商機を得るための気づきについて提言。
CSRに加え、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授等の提唱する『共有価値創造』(CSV)にも言及。(当日資料より)

2016年度4月

 
【2016年度4月 講演会ダイジェスト】
 
 企業体質の4つの宿命的な病を考える-その原因と打開策-
 
今回は、本三方会の会長でもある学習院大学経済学部の内野崇教授に、上記のテーマ-大企業病
の根底をなす本質的な課題について、熱く語っていただきました。
 
1 まず4つの課題-病理として、以下の4つが指摘されました。
(1) 利益至上主義(左脳的)の体質― 三方よし(顧客よし、従業員よし、会社よし)のはずが、
   気が付くと自社の利害と利益は最優先に。
(2) 現状維持、前例踏襲主義の体質―変えたがらない、変革志向の欠如。
(3) 自由度が少なく、閉塞感に溢れた体質―やや軍隊型で風通しの良い自由闊達な文化の欠如。
(4) 意思決定に時間がかかり過ぎる体質― タイミング・チャンスを逃しがち。
 
2 次に、それらの病理の原因と打開策について説明がなされました。
(1) 利益至上主義
   ①利益とは余剰であり、企業存続・効率を測定する重要かつ基本的な尺度である。しかし利
  益至上主義(すべてに利益が優先)は、大いに問題がある。 
   ②打開策として、企業の存在理由の確認、社会的使命の確認が挙げられる。(利益は目的で
  はなく、そうした目的を達成するための手段であるという認識が重要である)
(2) 現状維持、前例踏襲主義
   ①様々なルーチンは、時間をかけ形成されており、慣れもあり楽な上にそれなりの合理性を
  有しており、一つ変えればすべてに波及する可能性もあり、変えるのは簡単ではない。
   ②打開策として、組織慣行との決別する勇気を持つことが挙げられる。既得権益を壊す行動
  力を持ち、チャレンジを行う風土、文化の形成が必要である。オフサイトミーテイングの
  活用と改革チームの活用がポイントに。
(3) 自由度が少なく、閉塞感に溢れた体質
 ①統制を効かせて個人の裁量の幅が少ない方が全体としての効率が良いという思い込みの存
  在やヒトは見ていないとサボる存在である―等のといった理由で変えるのが困難である。
 ②打開策として、自己決定権(自由度)は、メンバーにとっては元気とやる気と成長の源泉
  である。動機付けの研究によると、I)信じるにたる未来像を有する 、 ii)よき仲間がいる、
  ⅲ)ある程度の自己決定権と仕事の裁量度の付与-の3つが、動機付けと成長促進のポイント
  となっている。また統制型ではなく参加型のリーダーシップも重要といえる
(4) 意思決定に時間がかかり過ぎる体質
   ①わが国は、ボトムアップ・根回し型を意思決定が基本であり、時間がかかるのは当然とい
  う思い込みのためにそのような体質が生まれる。また、テーマによっては関わる部署も多
  くリパーカッション(反響)を慎重に考慮しなければならず、時間がかかる。
   ②打開策として、組織のスリム化分社化に加え、意思決定に関わるメンバーを減らすことが
  挙げられる。また的確な判断力・行動力を有する経営トップリーダーの存在も重要である。
 
3 体質改善のための全体の見取り図
 ①変革の方向・着地点を明確にする
 ②未来の視点に立って現在とのギャップを具体化にどう埋めていくかの行動戦略を明示する
 ③経営トップ自らが明確かつ定期的にコミットする
 ④全体に加えて個人に対して、どのような見返りと状況改善に繋がるかのストーリーを明確に
 
 
 いずれにしても、大企業病の克服なくして、企業成長はありえないことを肝に銘ずべきである。
 
 

 

 

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