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コラム

2021年11月1日

産業の軍師出でよ

一般社団法人経営研究所
所長 藤本 隆宏

2020年代、世界の産業はどのように進化するだろうか。
私は過去20年数年、産業現場の組織能力(Capability)の進化、製品など人工物の設計思想Architecture)の進化、そしてこの2つの動態的な適合が各国・各地域の各産業の競争力(Performance)の長期的趨勢に影響するとみる「CAPアプローチ」および「設計の比較優位説」に基づき、様々な産業現象の過去・現在・未来の説明を試みてきた。なかなか使い勝手が良いので、私はこのCAPアプローチを多用してきた。

これを2020年代に応用するとどうなるだろうか。
結論から言うと、日本の企業・産業にとって苦戦の連続であった過去30年、サイバー空間でメガプラットフォーマに置いていかれた2010年代を経て、次の10年はようやく、戦いようによっては日本企業にとって面白い展開もある、という局面になってきた。その詳細は次回に論じたい。

しかし、うまくやらなければ、また負けるということも予想できる。そこで今必要なのは、世界の大局判断にも現場の局地戦にも強く、大きな潮目を読み切り、頭も体も動く、いわば産業の「軍師」タイプの人材だと私は考える。

彼らが直面するのは、サステナブル(Sustainable)、デジタル(Digital)、グローバル(Global)の3大潮流が複雑に絡み合う、いわば「大きなSDG」のややこしい時代である。そこで必要なのは、ぶれない座標軸を持ち、流行に振り回されず、大きなSDGの連立方程式を解き切る上記の人材である。現世代・次世代から、そうした軍師的才能の続出を期待したい。
                                                       
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