第11回 SDV(software defined vehicle)の製品開発組織-4
2026年7月21日
第11回 SDV(software defined vehicle)の製品開発組織-4
一般社団法人経営研究所
所長 藤本 隆宏
過去2回にわたってSDVの製品開発を語る準備として、自動車産業とコンピュータ産業のイノベーションの特性を取り上げてきました。今回は、SDVの構成要素の最後に、ソフトウェアの開発を取り上げます。
ソフトウェアの開発では、インテグラル型寄りのソフト(例えば複雑な組込ソフト)を前提に、①全体設計の整合性を確認してから次に進む「ウォーターフォール型」(圧縮モデルに近い)がありましたが、対して、②機能完結的なモジュールに分解できるモジュラー型のソフト(例えばアップデート勝負のアプリケーションソフト)では、機能優先順にソフトウェアのモジュールを次々と設計・確認する「アジャイル型」(実験型に近い)が主流となっており、アーキテクチャの違いゆえにこの2手法が並立しています。
例えば、日本が伝統的に強いゲームソフトの場合、ゲームセンターのアーケード(業務用)ゲームから発展した日本の家庭用ゲームソフトは、画像品質や全体バランスを重視するインテグラル寄りの製品と言えて、そのため「ウォーターフォール型開発」が多用されていますが、中国で発達したオンラインゲームは、バージョンの頻繁なアップデートによる消費者の期待感維持を重視するため、アーキテクチャもモジュラー寄りで、アプリケーションソフト的な「アジャイル型開発」が多用される傾向が見られます。
さて、以上でSDVの製品開発を語るのに必要な準備が整いました。次回から、特に成長の著しい中国の電気自動車(EV)を中心に、EVあるいはその他のパワートレインの自動車に結合したSDV(Software Defined Vehicle)の開発競争について、見てきます。


