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コラム

2022年3月4日

戦艦ポチョムキン

一般社団法人経営研究所
所長 藤本 隆宏

今回は電気自動車の話の予定だったが、急遽変更する。
ロシア軍のウクライナ侵攻とその後の惨事を知り、最初に思い出したのは、ソ連の映画監督エイゼンシュテインの名作「戦艦ポチョムキン」(1925年)だ。現在は著作権が切れ、ネットに山ほどある。個人的には、ショスタコーヴィチ交響曲第5番付きで、最後の転調が画面とぴったり合っている1976年Sovexportfilm版をお勧めする。

帝政ロシア末期、日露戦争中の1905年、腐ったスープがきっかけの戦艦内の反乱、黒海の港町オデッサでの帝政ロシア兵による市民虐殺(モンタージュ技法で有名なオデッサの階段)、ポチョムキン討伐に向かったロシア黒海艦隊の寝返りと合流、帝政ロシア崩壊の暗示、等々を描いた空前絶後の無声映画だ。

前置きが長すぎたが、舞台であるオデッサは、ウクライナにある。大階段は今も残る。時代背景から、ソ連礼賛でもあったこの映画のテーマは、上層部の変調、軍の士気低下、その一部の離反、同調する市民の虐殺、より多くの離反による内部崩壊-であったと思う。

かの地ではなぜか、この同じテーマが繰り返されるように見える。ハンガリー動乱、プラハの春、アフガン戦争、そしてソ連の崩壊。皮肉にもポチョムキンとよく似た流れではなかったか。

そして、ソ連崩壊後に成立したロシア連邦で、デジャヴとも言うべき事象の連鎖が、また起こっている。なぜ繰り返されるのか。結末は今回も同様なのか。日本の我々に何ができるのかを考え続けるしかない。



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